ダニエルのテクニカル分析

先物・為替のテクニカル分析について考えます。同名の仮想通貨投資家の方とはまったくの別人です。

MACDについて その5

前回の投稿からすこし時間が空いてしまったMACDについての記事の続きです。

 

チャートのテクニカル分析においては、さまざまなインディケーター・オシレーターが用いられています。みなさんもおそらく独自にカスタマイズするなどして活用されていることと思います。

 

MACDは優れたインディケーターであるのですが、意外に見落としているところ、気がつかずに使われてる部分が多いと思われるインディケーターでもあります。

 

以下はMACDとDN_MAFCD2の比較チャートです。ドル円の日足で2018年7月からを表示しています。

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MACD1

2段目は時刻補正したMAFCDで、価格の中心値からの乖離を、黄ラインの12日移動平均、赤ラインの価格が比較的正確に描画しているはずです。ここを値の基準として順に見て行きましょう。緑のラインはその時間における、価格と移動平均値の差から求められた標準偏差で、ボリンジャーバンドの値を基準値からの乖離に計算し直した「標準偏差乖離」です。

 

3段目は時刻補正を抜いたMAFCD2、4段目がMACDとなります。SMAとEMAの差はありますが、3段目の黄ラインの移動平均乖離、4段目のMACDヒストグラムがだいたい同じ動きになっていることに注目してください。3段目の赤ラインは価格、緑ラインは標準偏差乖離の時刻補正無しです。

 

2018年10月頃から標準偏差乖離が広がりだしている箇所を見ていましょう。

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MACD2

このチャートで2段目の赤ラインは6SMAをセンタリングしたもので実際の価格の動きにほぼ同期していると思ってください。

 

前回解説したようにMACDはEMAの差の特性から大きい値動きが発生した後の影響が長く残ることがこのチャートから解る点に気がつきましたか?今回の本題とは外れますので、ここはおいておきましょう。

 

注目するのは2段目の黄ラインの移動平均乖離、3段目のMACDがほぼ同期していること、さらに緑ラインの標準偏差乖離も、自然数に置き換えられてますが、だいたい同じような振る舞いをみせています。

 

ここの部分だけ見てみると、赤ラインの6SMAと標準偏差乖離の方が早めに値動きの変化を示していますね。チャートの他の部分を確認してもけっこう良い感じでシグナルがでているような気もします。

 

この2段目についてはボリンジャーバンドローソク足の関係から推測できますので、どなたでも描けるかと思います。

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MACD3

 

ボリンジャーバンドMACD、ボクが作成した移動平均乖離や標準偏差乖離など、さまざまなインディケーターやオシレーターは、結局のところ目的に違いはあるけれど到達する先はだいたい似たような所にたどり着くのかなと個人的には思っています。

 

ですのでこれらテクニカル分析のツールは、どれが正しく、どれが間違っているって事はそれほどありませんから、みなさんの好みで使い分けて行くと良いのかもしれません。

 

ボリンジャーバンドMACDと組み合わせて、少し早めのオシレーターとして活用するのも面白そうです。

 

またこのチャートでも用いているように、SMAのセンタリングはいろいろな場面で役にたつことが多いので、対応しているツールをお持ちの方はぜひ試してみてください。SMAのセンタリングについては以下の記事で紹介しています。

 

daniel-jp.hatenablog.com

 

あと手前味噌ですけど、ボクのMAFCD2はさまざまなインディケーターの基準器としてけっこう役にたったりするんです。



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