ダニエルのテクニカル分析

先物・為替のテクニカル分析について考えます。同名の仮想通貨投資家の方とはまったくの別人です。

MACDについて その2

MACDについての続編その2です。前回はMACDの概要について簡単に解説しました。

 

ではもう少し詳細に入っていきましょう。以下は前回使用したものと同じMACDと同じパラメーターで描かれたEMAの比較です。

 

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MACDチャート


MACDの開発の意図についてのボクの個人的な考えですが、前回少し触れたとおり

  • 長期トレンド(26EMA)に対して短期トレンド(12EMA)は売り買いどちらに傾いているのか知りたい
  • 短期トレンド(12EMA)は始まったばかりか、終わりにむかっているのか知りたい
  • 短期トレンドの切り替わったタイミングが知りたい

辺りではないでしょうか。

 

大きな資金の流れが買いまたは売りでゆっくりとしたトレンドを作って推移しているとします。ここで短期筋のような比較的小さな資金が入ってチャート上に小さな山を作るような動き、たとえば上のチャートであれば9月25日頃からの短期的な下げや、11月2日頃からの短期的な上げのような小さな動きを上手く知ることはできないかといった意図でMACDが開発されたのではないかとボクは推測しています。

 

たとえばMACDが中央のゼロ基準線からプラス領域を推移しているのであれば「短期資金が買いで入ってきたのかもしれない」、マイナス領域なら「短期資金が売りで入ってきたのかもしれない」といった具合です。

 

さらにシグナルおよびヒストグラムは、短期資金が作る小さなトレンドが成長中なのか、終わりに向かってるのかを表しています。シグナルの考え方はとても単純で、MACDの12EMAに対してさらに9EMAを取ります。これはMACDを平滑化することで意図的にMACDを遅行させ、シグナルとMACDの相関性でオシレーター化したのではないかと考えています。

 

ボクが開発したMAFCDでも、半信半疑でこの方式のシグナルを実装したのですが、予想に反して上手く機能しているようです。

 

以上がMACDチャートの意図するところであると考えます。

 

さて、たしかにMACDはインディケーターとしてこれらを把握することができます。上記のチャートをみてもわかるようにMACDとシグナルの交点か、または交点を形成しようとするタイミングで上手く売り買いすれば効率良い投機ができるかもしれません。

 

しかしながらMACD単体で運用しているとちょっとした不具合があります。これはボクの開発したMAFCDでも同様ですが、MACD単体だと長期トレンドを基本的に無視しているのです。

 

たとえば現在長期的に強い上昇トレンドにあるとしましょう。上記のチャートがちょうどそのような状態です。ここで売りのシグナルで入った場合はあまり具合が良く無さそうです。上記のチャートで言えば11月10日頃から下落シグナルになっています。確かに一瞬下ひげをつけましたが株価はわずかずつ上昇していますので、売りで入るのはあまり良いアイディアではありません。

 

テクニカル分析というよりトレードの基本ですが、長期トレンド、大きなフローに逆らってはいけません。上記のような上昇トレンドであればインディケーターやオシレーターが売りを示していても、トレンドの方向に素直について行くポジションしか取るべきではないでしょう。しかし、そうなると長期トレンドが切り替わったときに上手く乗れないといったジレンマを抱えることになるのも確かです。

 

したがってMACDは、他の手法によって大きなトレンドが把握できるインディケーターと併用するのが良いのではないかと考えます。

 

ざっとMACDの考え方をまとめたところで、次回はMACDの考え方に対する疑問点などを整理してみたいと思います。