ダニエルのテクニカル分析

先物・為替のテクニカル分析について考えます。同名の仮想通貨投資家の方とはまったくの別人です。

株価の平均値の求め方について

前回の記事ではボリンジャーバンドの手法をベースとして、標準偏差の考え方をもういちど整理し、平均値を補正するといった結論に達しました。

 

本日はボリンジャーバンドをちょっとお休みして、前回解説した日経225CFDチャートの12日線を6日ぶんずらす箇所について、もうすこし考えを整理してみましょう。

 

以下のチャートは前回も紹介しました2つの移動平均線を描いたものです。青色は通常の12日線、黄色のラインは12日線を過去に6日ぶんずらしてあります。

 

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CFD225チャート1

ここで言葉の整理です。

 

「ずらす」と表現しましたが、チャートにインディケーターを描く際はこの動作を「シフト:SHIFT]と表現されることが多いようです。今回の様に12日線を過去に6日ぶんずらす場合は「ー6シフトする」と表現します。

 

では、なぜ-6シフトする必要があるのかおさらいです。

 

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CFD225チャートその2

 

上記のチャートは「シフトしない12日線」描いた日経225CFDの2019年11月1日を中心としたチャートです。

 

11月1日のローソク足と12日線の位置に注目してください。1日の終値は22950を、12日線は22760を指しています。赤色の矢印が指す12日線の22760は、黄色く枠囲いしてある10月20日~11月1日の12日間をひとつのグループとして株価の平均値を求めた結果となります。

 

ところが11月1日の株価は、10月20日~11月1日のグループだけでなく、以下のチャートのように11月1日~11月14日の12日間のグループにも属しています。

 

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CFD225チャートその3

もし11月1日の株価がこのグループであるとすれば、12日線が指す平均値は23240になってしまいます。

 

では11月1日の株価はどのグループに属するべきなのでしょう?

 

以下のように11月1日を中心とした前後6日の「12日間」をグループとすれば矛盾が少なくなると考えます。このとき11月1日を中心として前後6日間とすると奇数の「13日間」とすべきところですが、チャート上ではローソクの半分だけシフトする事は出来ませんので、便宜上前5日、後6日の「12日間」としています。

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CFD225チャートその4

 

このように、11月1日を中心とした12日間をグループとして定義することにはもうひとつ理由があります。

 

もし株価が時間的変化を考慮しない数値であれば、どのようなグループ取りでも特に不都合はありませんが、株価は時間と共に変化します。上記のチャートであればトレンドは上昇を示しているので、11月1日の株価は10月20日からの12日間の中で高値側になっています。であれば、11月1日からの12日間ではさらに高値をつける可能性があるわけで、それを予測できるのにわざわざ低い価格のグループで平均値を求め「現在の株価が行きすぎた状態にある」と解釈するのには違和感を感じます。

 

以上の理由から移動平均線を、下記のように12日線であればその半分の6日分だけマイナス方向にシフトすれば、比較的正しい平均値が得られると個人的に考えています。

 

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CFD225チャートその5

ただし注意しておきたいのですが、通常の移動平均線の使い方ではこのシフト(時間的補正)の考え方はあまり用いる必要はありません

 

通常の移動平均線は「現在の価格が、12日線の位置より高いから、12日間の買い方は利益がでている」といった、平均値から高い、安いを判断するための目安として用いられますので、この場合は時間的補正は不要です。

 

そのかわり標準偏差や値の乖離を知りたい等の場合は時間的補正を考慮した方が比較的正確な値を求められるであろうというのがボクの考えです。

 

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CFD225チャートその6

もちろん、移動平均線をそのままマイナス方向にシフトしてしまうと上記のように、最新の値が得られず描くことのできない期間が発生してしまいます。

 

ここは大きな欠点となりますので、ここをなんらかの方法で埋めなければなりません。

以後の記事では、このあたりの手法についても考えて行きたいと思います。

 


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