移動平均交差法について
みなさんは波の特性についてご存じですか?
一定の周期を持つ波があったとしましょう。特定の周波数の音波あたりが良いでしょうか。
一定周期の波形はこのような形になります。波は1番目から始まって32番目でちょうど1周期となります。同じ周期の波を半周期だけずらして重ね合わせます。
このようになります。1周期のなかで2つの波の交点がかならず2点存在します。半周期でなくても、ちょっとだけずらしても同様にかならず交点が1周期で2点存在します。
ね?まあ不思議でもなんでもないですね。
でも鋭い人ならすでに気が付いてるかもしれません。株価のチャートでもまったく同じ事が起きているのです。
また例によって日経225CFDのチャートです。先日の移動平均交差法を紹介したときに用いた25日線と25日未来に向かってずらした25日線を描いてます。50日線はとりあえず消してあります。
この2本の25日線は波と同様に1周期2点の交点が存在し、それぞれの波が交互に入れ替わりながら進んでいることに気が付きましたか?
ここで少し言葉を整理します。
ボクがこの移動平均交差法を解説する際、25日未来にずらした25本線を「25日先行線」と呼びます。通常の25日線はそのままです。そして、25日線が25日先行線を上回っている期間は「陽転サイクル」、25日線が25日先行線を下回ってる期間を「陰転サイクル」と呼びます。
株価の値動きは陽転サイクルと陰転サイクルを交互に繰り返して形勢されていく点がこの移動平均交差法の重要な所です。
ではここで、この25日線と25日先行線の意味を整理してみましょう。
25日線は、すでに何度も解説しているように、その時点から過去にさかのぼった25日間で建てられたポジションの平均値です。この25日線より株価が高ければ買いで入ったトレーダーは利益が出ていますし、売りで入ったトレーダーは損失を抱えてます。逆もしかりで25日線より株価が低ければ買い方は損失、売り方は利益が出ています。
25日先行線は、過去に遡ること25日の時点から、さらに遡った25日間に取られたポジションの平均値となります。これも25日線と同様、現在の株価が高いか低いかにより、それぞれのポジションに損益が出ていることを示します。
そして25日線が25日先行線より高ければ、その間を通る50日線が示す過去50日間で前半で取られたポジションは、後半で取られたポジションより平均価格が低いとなります。これについても逆に25日線が25日先行線より低ければ、前半で取られたポジションは、後半で取られたポジションより平均価格が高いとなります。
25日線が25日先行線の下に潜り込むなら、25日より以前の買い方は損失を抱え、売り方は利益を出している状態です。
25日先行線は単純に25日前から25日分さらに遡ったポジションに加え、さらにその少し前あたりのポジションの取得価格も暗に示します。なぜなら、ギャップアップ等の急激な値動きで無いかぎり、おだやかにそこまで買い進んだか売り進んでいるからです。
となると25日線が示すポジションよりも、25日先行線が示すポジションの方が量が多い可能性があるわけです。その状態で25日線が下がる、つまり株価が下落しているわけですから、それらの買い方は損切りを検討し出す可能性があり、株価下落が加速するといった理屈です。
もちろんこれは逆もしかりで、25日線が25日先行線を上回っていれば、買い方は強気、売り方の形勢が不利になり、売り方の損切りの買いで株価上昇の可能性がでてくるわけです。
今回は移動平均交差法の基礎について簡単に解説しました。移動平均交差法については前回も書きましたとおりダニエルツールの利用者向け限定コンテンツとする予定ですので、このあたりで解説は取りやめてまた別な移動平均線に関する話題を気ままに書いていこうと思います。
移動平均交差法の限定コンテンツについては現在書きためている最中ですので、暖かくなる前には提供したいと考えています。