移動平均線の不思議な特性
これまで移動平均線の組み合わせを使ったテクニカル分析手法を紹介してきました。
今回はさらに深く掘り下げて本質的なところに入っていきます。移動平均線の不思議な特性について紹介しましょう。
この特性や後ほど紹介する手法は、日経225以外に為替、商品、株、その他何でも波を形成する物であれば通じます。
そしてこの特性は、よくよく考えてみると当たり前のことですが、意外と気づいていない方が多いと思います。
また例によって日経225CFDのチャートです。
2019年も押し迫った年末の動きです。8月に19860の安値をつけたのち、強い買いの思惑で24160まで上昇してしまいました。
ローソク足が8月25日に安値をつけ、ちゃんと長い下ひげを形勢しているところが興味深いですね。他で紹介しますが、この下ひげについてはある程度読み取ることが可能です。
さて今回も25日線を黄色で、50日線を緑で表示させています。ここにもう一本25日線を赤で書き加えます。すこしだけ工夫して、未来にむかって25日分移動させて描いてみましょう。
いかがです?なにか気が付きませんか?黄色と赤色の25本線が交差を繰り返しながら進み、その中心を50日線が通ります。50日線の位置は、その時における2本の25日線の中心値を「必ず」取ります。
これは不思議でもなんでもなく、50日線の示す価格は、50日線の位置から25日過去の時点を中心として、前後それぞれ25日分すなわち50日の平均値になるからです。
赤の25日線は25日分未来にずらしてますから、たとえばこのチャートで12月1日の赤い25日線は、過去に向かって25日目までの25日間の平均値、黄色い25日線は12月1日から過去25日間の平均値となり、緑の50日線は12月1日から過去50日の平均値となります。
したがって緑の50日線の価格は、黄色い25日線と赤い25日線の平均値になるわけです。
ちょっと混乱してしまいましたか?ゆっくり頭の中で整理すると良いです。
この関係性は1対2の比率の移動平均線の組み合わせでかならず成立します。ボクはこの特性を用いたテクニカル分析手法を「移動平均交差法」と名付けています。
移動平均線については他にもほんとうに不思議としか思えないような特性がたくさん存在します。もちろん全てオカルトではなく、きちんと数学的に説明できる現象ですが、一見しただけではほんとうに不思議な現象が起きているように見えます。
これらの手法はなかなか興味深いところがたくさんありますので、これからすこしづつ紹介して行きますが、詳細な部分についてはダニエルツールスを購入された方の特典か、有料版のドキュメントで配布していく予定です。