ボリンジャーバンドについて その4
前回までで移動平均線の時間的補正を行い不足する期間を補間するロジックの実装まで解説しました。
以下のチャートは前回も使用した日経225CFDの日足チャートで、DN_MAFをもちいて12日線をー6日シフトして表示し、不足する直近6日間は予測値により補間しています。
年明け早々米国によるイランへの攻撃が材料となって長い陰線をつけてしまいましたが、前回の記事のチャートと比べてみてもDN_MAFの予測が比較的正確であることがご理解いただけると思います。
平均値の時間的補正と不足分の補間ができれば、あとは平均値からのそれぞれの株価の乖離から標準偏差を求めてチャート上に描くだけでボリンジャーバンドの改良ができます。
しかしながらここまでロジックをいじってしまうと、すでにボリンジャーバンドと呼ぶのは相応しくありませんので、ここはダニエルバンド「DN_MAFBAND](笑)と呼ばせていただければと思います。DN_MAFBANDとして現在開発中で、2~3月頃には提供する予定です。またその前にこのロジックをDN_MAFCDに実装させ1月中には先行的に公開する予定です。DN_MAFCDについては「ダニエルツールス - BOOTH」を参照ください。
さて話を戻して、ではさっそくDN_MAFBAND(以下MAFBAND)で株価の標準偏差のバンドを描いてみましょう。
以下のチャートは上記のチャートにMAFBANDで標準偏差のバンドを描いたものです。移動平均は12日線でー6日シフト、δは1.5としています。
いかがですか?なんとなくそれっぽくなったと思いませんか?1.5δですから、株価の86%はバンド内に収まるはずです。ただしこのDN_MAFBANDの設定では標準偏差を求める時の参照値として始値と終値を用いましたので、ヒゲの部分は正しく評価されていません。後ほど紹介しますが、DN_MAFBANDではさまざまなパラメーターを指定することが可能で、もちろんヒゲの部分を考慮して標準偏差バンドを描くことも可能です。
では、通常のボリンジャーバンドと比較してみましょう。以下はTradingViewにボクが作成したインディケーターで描いたボリンジャーバンドで、上記のチャート同様に-6日シフトさせたものです。残念なことに補間ができませんので、途中までしか描けません。
それぞれの標準偏差バンドを比較してみると微妙に結果が違っているのは、参照する値が異なることと、平均値と株価の乖離を求める際の時間的補正が考慮されていないからです。そこまでTradingViewのスクリプトに書く気力が無かったものですから、この点はご勘弁ください。
以上のようにボリンジャーバンドにさまざまな改良を加えることで、比較的正しい株価の評価ができるようになったとボクは考えています。もちろんこれが正しいと主張しているのでなく、このような考え方もあるのだといったくらいに受け取っていただければと思います。
すでにボリンジャーバンドは普及し、これを元にしたさまざまな株価の評価、分析手法が存在し、また成果も出ていることでしょう。この点はダニエルとしてもとても尊重しています。
そして今回ボクはボリンジャーバンドを参考にして、新しいインディケーターを開発することができたので、これを用いて新たな株価の評価、分析手法を開拓していこうと考えています。この新しいインディケーターは公開しますので、皆さんにも使っていただいていろいろな意見をいただいたり、また新しい手法の開拓に取り組んでいただければボクとしても嬉しい限りです。
6回に渡って長々と書き連ねましたが、ボリンジャーバンドについての記事はこれでいったんまとめとさせていただきます。もう少し書きたい事があるのですが、また別の機会にとっておきます。
2020年のみなさんのトレードが成功することを祈っています。