ダニエルのテクニカル分析

先物・為替のテクニカル分析について考えます。同名の仮想通貨投資家の方とはまったくの別人です。

移動平均線の特性について(その3)

 

前回は12日線、25日線を用いたテクニカル分析、予測の手法を紹介しました。つづけて今回は25日線と50日線を用いたテクニカル分析、予測手法についてすこし考えてみましょう。

 

今回もTradingView( https://jp.tradingview.com/ )の再生モードを使います。

TradingViewの再生モードは過去の値動きを再現できるので、チャート分析、予測の検証、訓練にぴったりです。ForexTesterでも良いのですが、TradingViewの方が気軽に使えることと、株式、指数、先物、CFD、為替等さまざまな商品が扱えることに加え、Pineスクリプトを用いてオリジナルのインディケーターなどを簡単に実装できるので個人的にとても気に入ってます。またブローカーに直接接続しTradingViewから実際のトレードを行うことも可能です。

 

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この記事は、TradingViewの再生モードを使って面白そうな日時を適当に選んでから書き始めてますので、ボク自身もこの後の値動きがどうなってるのか良く知りません。実際にテクニカル分析、予測しながら記事を書き進めています。

 

今回選んだのは2017年1月17日の日経225CFDで、チャートは以下のとおりです。画面には24本のみローソク足を表示させ、25日線を黄色、50日線をどちらも終値ベースで描きました。

 

では、ざっと現在の状態を分析してみましょう。

 

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CFD225チャート1


まず25日線は19300、50日線は18750あたりを指しており、16日の終値が19045となっています。この3点から、直近25日間に立てられたポジション平均は19300、同じく直近50日間のポジション平均は18750で、16日が終わった時点で直近25日間に買い方のトレーダーは損失を、売り方のトレーダーは利益が出ていますが、直近50日間の平均で見ると、買い方は未だ利益が残っており、売り方はまだ損失を抱えています。

 

株価は下落傾向で25日線を割り込んでしまったため、この後は25日線も下を向き出すことでしょう。12月20日、1月4、6日の高値で移動平均を押し上げていますが、株価が今の水準で推移するなら、日が経過するとともにこれらの影響が徐々に消えた頃に25日線は下向きを加速させます。

 

ただ株価が50日線を割り込んでいないので、50日線はまだしばらく上昇を続けますが、いずれ株価と重なり、もし下抜けることがあれば50日線も下を向き出すでしょう。

 

またローソク足に注目すると、12月29日の長い陰線に対して買い方も抵抗していますが、1月4日から高値を否定して頭を押さえつけられ、上ひげを残しながら売り込まれており、売り圧力の存在を感じさせる値動きです。

 

これらを踏まえて少しチャートを進めてみましょう。

 

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CFD225チャート2


予想通り17日に強い売り圧力がでてきたおかげで18640まで売り込まれましたが、18日に50日線を割ったところで買い方の抵抗が入り、17日の始値まで戻しています。

 

おそらく25日線で買いを入れたトレーダーの損切りと、売りを入れたトレーダーの利食い、および50日線を明確に割らなかったことで、50日線で買いを入れたトレーダーは耐えたかさらにポジションを積み上げ、売りを入れたトレーダーは薄利で撤退した、などといった感じでストーリーを描くことができます。

 

また、この17、18日の動きは週足で長い下ひげをつけた格好になり、切り返しが期待できる形になりましたので、次は25日線を株価が上回れば、再度25日線も上向きになるでしょう。ただし直近のローソク足の上ひげから、まだ売り方の抵抗が残っている感じで、すこし先行きが見えなくなりました。

 

そしてこのまま進むと25日線と50日線が交差しそうな雰囲気です。となるとここからはボックスか三角形を描くフラッグの形に入り、いずれ上下どちらかに大きく動くだろうと予想します。

 

もう少しチャートを進めてみました。

 

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CFD225チャート3


再度売り込まれましたが、買い方がかなりの抵抗を見せており19500まで戻してます。しかし、さらに売り方の抵抗が入り18800まで下落、今のところこの18750~19500の比較的広い範囲で激しい売り買い双方の攻防を見せたボックスを形勢しています。25日線、50日線もさらに交差に向かって進んでいますので、あと数日で重なり合うはずです。

 

現在下落中の25日線と、わずかに上昇中の50日線が重なり、現在の株価が双方の下に位置している事の意味は「50日の中期ではわずかに上昇傾向であるけど、株価は25日の短期では現在下落傾向で、株価はさらに落ちているので、現在は下向きトレンドが発生している」でしょうか。

 

もし株価がここから上昇すれば25日線も上昇を見せるはずです。そして25日線がここから上昇するなら、かなり強い買い思惑が入っていることを示します。

 

ただこのチャートの形だといったんは下に向かいそうです。となると25日線の買い方は50日線のそれに比べて不利な状況でぱらぱらと損切りの売りがでてくるかもしれません。

 

ローソク足に注目すると、5日の下げに対して買い方のそこそこ強い抵抗、6日の長い陰線、これに対して7日に買い方の抵抗が入り売り買い拮抗となりました。この分だと売り買いでもみ合う形になると予想します。

 

さらに20日ほどチャートを進めます。

 

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CFD225チャート4



8日に上下ヒゲをつけた極線が出現し売り買い拮抗、9、10日に買い方の強い抵抗が入り19500まで戻しますが、売り方の抵抗もかなり強く、結局ボックス内の動きに終始、3月に入り長い陽線をつけて19650まで買い上げて高値を更新するも、再度売り方の抵抗が入り19315まで売られます。

 

ボックスの動きになってしまったため25日線、50日線それぞれももみ合った形になり、移動平均線だけでは先行きの予測が難しくなってしまいました。

 

ローソク足からは、やはり売り方の抵抗がすさまじくここから上値を取っていくことは難しそうです。

 

さらに16日ほどチャートを進めます。

 

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CFD225チャート5

買い方も抵抗して19580まで戻しますが19650の高値を抜くことができずに力尽き、再度18730あたりまで売り込まれてしまいます。25日線、50日線双方の下側に株価が入り込んでしまい、ここから高値を取りに行くのはかなり難しい雰囲気です。

 

この後は25日線の下落傾向が顕著になるとともに、50日線も下を向き出します。すると株価も下落を加速させるものと思われます。ここから切り返すには、よほど強い買いの思惑が入らないとムリでしょう。テクニカル的にはこの形は下落を予想させます。

 

また14日ほどチャートを進めます。

 

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CFD225チャート6


こんどは25日線、50日線、いずれもが上値抵抗線の形になってしまい、29日の買い思惑が売り圧力に負けて力尽き、買い方が撤退する形になりました。予想通りに25日線、50日線も下落をはじめています。買いのトレーダーは撤退しましたし、売りを入れてるトレーダーはじっくり利食いのタイミングを計るでしょう。そして新たな買い方が現れ再度ボックスを作りポジションの整理が終わったところで反転するはずです。

 

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CFD225チャート7


予想通りの形でしょうか。予想以上に強い買いの思惑が入り、ボックスを上放れまた上値を取りに向かい出しました。


今回は25日線、50日線の組み合わせと、ローソク足の読みでどれくらい予測できるか試してみました。移動平均線によるテクニカル分析、予測は、先に紹介したずらして表示させる手法、長短を組み合わせる手法など、さまざまなバリエーションがあります。パラメーターもトレーダーの好みや商品の特性によって変化させ、より効率の良い組み合わせを見つけると良いでしょう。


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