ダニエルのテクニカル分析

先物・為替のテクニカル分析について考えます。同名の仮想通貨投資家の方とはまったくの別人です。

移動平均線の特性について

移動平均線を使っているとときどき混乱することがありませんか?

 

たとえば「25日線が上向きに強く推移しているなら、強い上昇トレンドが発生しているので、一時的な株価の落ちこみは調整である」とか解説されることがあります。これってほんとうのところどうなんでしょう?

 

株価と移動平均線の間には、ちょっと考えてみれば当たり前ですが面白い関連性と特性があります。

 

25日線であれば、過去25日分の株価の平均値になります。もしも25日線が上昇傾向にあるなら、すくなくとも25日以前の株価の平均値よりも、直近の株価の平均値が高いから25日線が上向きになるわけですね。もうちょっと細かくみてみましょう。

 

以下は2019年8月5日時点のCFD225の日足チャートに25日線を描いたものです。表示されているローソク足も25本分+1本としています。

 

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移動平均線の例

25日線の最後の部分は、表示されている25本のローソク足終値の平均値を指しているわけです。25日線自体は上昇傾向にあり、最後のローソク足は25日線と接近しています。

 

さて、このチャートのこの後の動きはどうなるでしょう?テクニカル分析をご存じの方なら当たり前のことかもしれませんね。

 

25日前の7月8日の株価は21890辺り、現在の22550と比べると610ほど下を推移していますが、その後17日の22970をつけたことにより平均値が押し上げられ、25日線も上向きに変わりました。しかし22日に22460まで調整したため25日線も横向きになってしまいました。その後さえない動きにもかかわらず25日線はじわじわ上昇しています。

なぜ上昇しているかは当然ですが、現在の株価の方が25日線より上を推移しているからです。

 

移動平均線は一定期間の株価の平均値ですから、もしも株価が動かないのなら最終的にはかならず株価と移動平均線は重なりあいます。当たり前に感じますが、ここが結構重要なポイントです。

 

もしも株価が移動平均線より高い位置を推移するなら、かならず移動平均線は株価に向かって上昇してきます。逆もしかりです。そのときの株価が下落方向にあろうが、移動平均線より高い位置なら、移動平均線に向かってきます。

 

そして移動平均線を見たトレーダーは「ああ移動平均線が強く上昇しているから買いだ」と判断しているのかもしれません。そうすると当然株価も上がってきます。そして上がった株価に向かって移動平均線も上昇を続けます。

 

ここで矛盾に気が付きませんか?移動平均線は株価の推移の結果のはずなのに、移動平均線に従って株価が動きます。かならずではありませんがトレードを続けているとこういったケースは良くあります。

 

では上のチャートをもういちど見てみましょう。株価と25日線はほぼ重なった状態です。過去20日以前の株価は現在の株価より下ですから、これらの影響で25日線が冴えない動きをしていたわけです。しかしこの後は13日あたりから付け出した高値で25日線を底上げした状態にあります。この高値の影響が消えるとまた25日線は冴えない動きとなります。

 

そして株価がもし25日線を下回ると、先ほど解説したように25日線も株価を目指して徐々に下に下がり出します。上のチャートではちょうどその境目にいるわけで、このときのトレーダーの考えも「株価が下がりだしてるし、このまま25日線を下回ったら売りかもしれないな」となっているかもしれません。

 

では上のチャートのその後を追ってみましょう。

 

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移動平均線その後1


3日間ほど25日線を挟んでの攻防が続きましたが、最終的には25日線を割ってしまい、そのタイミングで25日線も下を向きだしています。これは過去20日あたりの高値の影響に比べて9日で25日線を下回った影響によるもので、さらに10日の長い陰線でつけた22200の強い影響で25日線がさらに下を向きだしたのです。

 

この後さらに株価が低迷するなら、やがて過去の高値の影響が完全に消え去り、25日線はいずれ株価と重なり合うまで下げ続けます。そして、その下げる25日線を見て売ってくるトレーダーも増えてくるでしょう。

 

さらにチャートを追ってみます。

 

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移動平均線その2

25日線が完全に下向きになったことから、揉み合いにはなっていますが株価は低迷してしまいました。

 

このあたりになると25日線以外にもローソク足の動きに注意して値動きを予想しなければなりません。ローソク足の下ひげが増えて、また下げ圧力に対する抵抗もかなり強くでていることから、現在は揉み合いでいずれどちらかに大きく動きそうな気配です。この時点では様子をみつつ、どちらかに動いたらトレンドに乗ってポジションを取っていくのが良いでしょうね。

 

実際にここから切り返して株価は25日線を越えて上昇トレンドに入っていくと同時に、今度は過去の株価の平均値に比べて最新の株価が強くなったところで25日線も上を向き出し、それに追従するかのように株価も上昇力を強めていきます。

 

いかがです?移動平均線って面白いと思いませんか?

 

次回は移動平均線の種類について簡単に書きたいと思います。

 


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