ダニエルのテクニカル分析

先物・為替のテクニカル分析について考えます。同名の仮想通貨投資家の方とはまったくの別人です。

モメンタムについて(続き)

 
前回の記事では、ざっとモメンタムの考え方について書いてみました。今回はより積極的にモメンタムを読み取るための手法などについて考えてみましょう。
 
先の記事で、モメンタムは買い、売りでどれくらいの勢いがあるかと解説しました。では株価の変動における勢いとは具体的に何でしょうか?これは売り買いの出来高であると定義するのがよさそうです。ところがローソク足を用いたチャート分析では出来高が参照できない事が多々あります。このような場合にはローソク足の長さや連続性などからモメンタムを判断することになります。そこで用いられるのが移動平均線となります。
 
先の例では5日線を用いて簡単に解説しました。5日線を上抜いたら買い、下回ったら売りでなんとかなりそうです。このように移動平均線を用いてモメンタムを読み取れば上手にトレードできるでしょうか?残念なことに移動平均線を用いた単純なトレードにはいくつもの落とし穴があり、世に出回ってる解説をそのまま用いても意外に上手く行きません。ここには色々な分析のしかたが存在しますので、詳しくは別な記事で解説します。
 
例えば5日線はローソク足の変化にとても敏感です。以下のチャートでも10月30日、11月10日以降あたりの動きは単純に5日線でトレードするとロスカットせざるを得ない場面を迎えるでしょう。
 

f:id:hebitsukai2283:20191227131050p:plain

CFD225と5日線
ここで25日線を加えるとその理由が見えてきます。現在ローソク足は25日線の上を推移しており、25日線は明らかに上昇トレンドが継続していることが解ります。
 
25日線を明確に割らない限りは売りで入らない方が安全なようですが、以下の例でも9月末頃、12月3日頃の25日線下抜きで上方向のトレンドは終わったように思えます。結果的には長い下ひげをつけたローソク足から陽線をひいてますので、下落トレンド入りを否定して上昇トレンドを継続したわけです。
 
このチャートにおける「モメンタム」についてまた考えてみましょう。たとえば直近12月12日に長い陽線をひいて5日線が25日線から大きく乖離していきました。これは上方向に強いモメンタムが出たことを示しています。そして16日にはモメンタムが無くなり反転し、今度は下方向に弱めのモメンタムができて下落に向かいます。このようにローソク足の長さ(値幅)や移動平均からの乖離でモメンタムを読む事が現実的かもしれませんね。
 

f:id:hebitsukai2283:20191227131150p:plain

CFD225の5日線と25日線
さて、ここで「トレンド」といった単語がでてきました。「モメンタム」と「トレンド」ニュアンス的にはどちらも同じように感じますね。「トレンド」は経済学で傾向を示すとのことです。ざっくり「トレンド」は方向性、「モメンタム」は勢いという整理にしておきますが、なんともすっきりしない感じもしますね。
 
では、このモメンタムをもっと簡単に見られる方法は無いものだろうかと考えてみましょう。先に、モメンタムはローソク足の長さと移動平均線からの乖離でみられそうな事がわかりました。ざっくりとこの2点を参考にモメンタムを読み取るだけでもなんとかなりそうです。
 
おそらくご存じの方も多いと思いますが、移動平均線の乖離についてはMACDを用いることで読み取ることが可能です。
 
以下はMACDを5日線、25日線のパラメータで描かせたものです。ヒストグラムチャートが25日線に対する5日線の乖離を示しています。なんとなくモメンタムがどのような状態か把握できたるかと思います。このような使い方もMACDには存在する点に注目してください。ただし厳密な乖離については、MACDの求め方では不都合な点が存在するため少し注意が必要です。
 

f:id:hebitsukai2283:20191227131305p:plain

CFD225とMACD
ここで手前味噌になりますが、ボクが開発したDN_MAFM(MovingAverageForecast with Momentum)では、ローソク足のそれぞれ長さと変化からモメンタムを計算しMetaTrader4のチャート上に描くことができます。またDN_MAFCD(MovingAverageForecast Convergence and Divergence)では、値動きの中心値からの乖離状態を表示させることで、こちらもモメンタムの状態を知ることができます。
 
以下は先と同じCFD225のチャートにモメンタムを描いたものです。12日線をベースに計算させています。青が上方向のモメンタムとトレンド、ピンクは下方向へのモメンタムとトレンドで、バーの長さと変化量からモメンタムを、バーの方向性からトレンドを把握することができます。下段は中心値に48日線を用いて4日線の乖離状態を表示させたものです。
 
また現在の値動きを基準にして、将来の方向性を少しだけ予想しています。今のままの値動きが継続するならこの方向にモメンタムとトレンドが発生するであろう事を示しています。
 

f:id:hebitsukai2283:20191227131346p:plain

CFD225とダニエルツールス
WindowsPCとMetaTrader4上で動作します。 https://namakuro500m.booth.pm/
無料版もありますので興味があるかたは一度試してみてください
 
これらのツールの詳しい解説については、またいずれ記事にまとめます。
 
以上のように、いまひとつ実体がはっきりしないモメンタムについて、ボクの主観でまとめてみました。


日経225先物ランキング にほんブログ村 先物取引ブログ 日経225先物へにほんブログ村