DN_MAFM_V2(Moving Average Forecast with Momentum) for MT4 マニュアル
本記事は私ダニエルツールスが配布するテクニカル分析用インディケーター DN_MAFM2 (MovingAverageForecast with Momentum) の取扱説明書となります。
DN_MAFM2の紹介
DN_MAFM_V2 (Moving Average Forecast with Momentum Ver2、以下MAFM2) は、前作のDN_MAF(Moving Average Forecast:移動平均予測)のアルゴリズムを用いて、より積極的に値動きを予測するために開発したテクニカル分析用インディケーターです。とてもシンプルなツールですが、同じく前作のDN_MAFCD(Moving Average Forecast Convergence and Divergence)を組み合わせることにより、株価指数、株価、為替、商品先物などさまざまな値動きのチャートを分析し、将来の方向性などを推測する際にとても有益な指標となるでしょう。
MAFM2の名付けに用いられるMomentum(モメンタム)はテクニカル分析において良く用いられる単語で、直訳では「勢い」とされています。株価等の値動きでは、いったん大きく買われたり、売られたりすると、しばらくその方向に勢いが続く特性を持つことがあります。例えば、平らな床の上でボールを押したとします。その力の加減に従ってボールが転がり、やがて勢いは徐々に薄れ最終的には停止します。これが「モメンタム」で、株価等の値動きでも似た動きを示すことがあります。
MAFM2では、現在の値動きの方向やその強さ「モメンタム」をチャート上に描くことができます。またMAFM2では、すこしだけ将来の方向性を予測して描くとともに、値動きが変化する重要なポイントを予測し、その方向性をシグナルで表します。これにより、おおまかな値動きの方向性を知ることが可能となります。
注意点.
本インディケーターで描画するシグナルは売買シグナルではありません。あくまでモメンタムの切り替わりとトレンドの方向についての可能性を示す目的の機能です。売買シグナルを期待されている方はご購入を避けていただけますよう願います。
制限事項
本インディケーターの使用にあたっては、以下についてご了承ください。
- 本インディケーター、付属するドキュメント等のすべての権利は作者に帰属します。他の者は本作品の一部または全部を作者の許可なく加工、複写、再配布することを禁じます。
- 本インディケーターの逆コンパイル、解析等することにより、作者の権利を侵害することを禁じます。
- 本インディケーターを用いることにより発生した損害等については一切保証いたしません。利用者の自己責任の範囲内においてご利用ください。
- 本インディケーターはWindows10+MetaTrader4の組み合わせで動作確認しております。他の環境での動作は保証いたしません。
DN_MAFCD2のインストール
ダウンロードしたファイル「dn_mafm_v2.ex4」をMT4の「Indicators」フォルダにコピーします。MT4の「ファイル」メニューをクリックし「データフォルダを開く」を選択してください。
エクスプローラーが開きますので「MQL4」フォルダをクリックすると「Indicators」フォルダが現れますので、このフォルダに「dn_mafm_v2.ex4」をドラッグしてコピーしたなら、エクスプローラーは閉じてMT4に戻ってください。
続けてMT4のナビゲーター内にある「インディケーター」を右クリックし「更新」を選択すると「dn_mafm_v2」が現れます。表示されない場合はただしくコピーされていない可能性がありますので、前項の操作を再度行ってください。
DN_MAFM2の使い方
2020年3月にMAFM2をマイナーアップデートし以下のとおり機能を強化しました。
シグナル精度の改善 |
モメンタムの方向性(トレンド)が変化する際のシグナルについて、予測範囲における精度を向上させました。 |
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予測境界の描画 |
モメンタムおよびシグナルの予測範囲がひと目で読み取れるようチャート内に赤い点線を描きました。 |
移動平均交差法ラインの描画 |
移動平均交差法で用いる予測線、中央線を描く機能を追加しました。 |
DN_MAFM2の機能は以下の通りです。
モメンタムバーの描画 |
値動きの方向性と強さを示すモメンタムバーをチャートウィンドゥ上に描画します。これを参照することで現在の値動きの方向と強さ、また切り替わりのポイントを把握することが可能です。 |
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モメンタムシグナルの描画 |
トレンドの方向が切り替わった際にシグナルを描画します。シグナルは一定期間が経過するとで消去されます。 |
モメンタムバーの予測 |
チャート中の縦線(予測境界線)を境として、未来の方向に描かれたモメンタムバーやシグナルは予測値となります。現在の値動きの変化によりこの範囲は都度再描画されます。 |
移動平均交差法ラインの描画 |
DN_MAFM2の動作画面
DN_MAFM2を起動すると以下のようにチャート上に青とピンクのバー、矢印、および赤い点線が描かれます。
青のバーが連続している間、値動きは上昇傾向にあり、ピンク色なら下降傾向です。またバーの長さはそれぞれの強さを表しています。
そしてモメンタムの方向が切り替わる箇所にその方向を示す黄色いシグナルを描画します。
また今回のアップデートで画面中央の赤い縦の点線を加えました。この点線より過去のモメンタムとシグナルは確定値で正確な値となります。逆に点線より将来方向(右側)に描かれたモメンタムとシグナルは予測値であり、これから値動きが発生するごとに再計算しなおして描き直す可能性があることを示しています。
赤い点線に近ければ近いほど精度は高く再描画される可能性は少なく、離れれば離れるほど精度は低くなります。この再描画の特性を掴むことで、より正確な予測が可能となるでしょう。
DN_MAFM2のパラメーター
DN_MAFM2では以下のパラメーターを指定することが可能です。トレード対象の商品特性や時間足などに応じて適宜調整することをお勧めします。
Momentum analyze term | モメンタムバーを描画するさいの移動平均期間を指定します。デフォルトは24が指定されています。 |
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Use Centering ? | MAFM2全体を描画する際に時間補正するかどうか指定します。OFFで通常の移動平均線相当で描きます。 デフォルトはONです。 |
Forecast sw | モメンタムバーの予測部分を描くか否かを指定します。デフォルトはONです。 |
Use Zoom sw ? | モメンタムバーの縦スケールを2倍して描画します。 |
Use MA cross ? | 移動平均交差法のラインを描画するか指定します。デフォルトはOFFです。 |
Draw vline ? | モメンタム・シグナルの予測境界を示すラインを描くか否かを指定します。デフォルトはONです。 |
Use Signal ? | シグナルを描画するか指定します。デフォルトはONです。 |
Signal term | シグナルを判断する際の移動平均期間を指定します。デフォルトは6が指定されています。 |
Signal pattern | シグナルアイコンのパターンを3種類から指定できます。 |
Signal sensitivity |
シグナルを判定する際の感度を指定します。4から24 の間で指定してください。 |
Use sound ? | 確定したシグナルが出現した際にサウンドを鳴らすことが可能です。 |
Sound file | サウンドを鳴らす際のサウンドファイルを指定できます。 |
移動平均交差ライン
「Use MA cross ?」のパラメーターで「ON」を指定することで以下のように移動平均交差法で用いる青の予測線、黄色の中央線を描くことが可能です。
移動平均交差法を用いることで将来チャートに大きな変化が発生するであろう時間帯や方向性、また影響具合などそ推測することが可能となります。本機能はそれらの予測手法を補助するために用います。
DN_MAFM2による運用例
以下でDN_MAFM2を用いたテクニカル分析手法の一部について紹介します。
CFD225で1分足を用いて値動きの予測をしてみました。
このチャートは2020年3月23日13:44のチャートです。この日の東京市場は明け方思わぬ下落に見舞われ15400を割ってしまいましたが、市場が開く頃から断続的に買いが入り高値を取り戻して行きました。13:44の時点で16979まで戻しており、安値からは実に1500を越える上げです。
上記のチャードでは12時台に上下のシグナルとモメンタムの切り替わりから少し調整を入れたのち更に高値を狙っている様子が分かると思います。
時間が経過し14:02となりました。相変わらず上昇は続いていますが、モメンタムバーの予測範囲にピンク色の箇所が出現したことに注意しましょう。これは14:01の値動きで下げたため、このままの価格帯で進むとモメンタムのねじれが発生する事を示しています。下げる可能性が出てきましたので、ここからは注意が必要となります。
3分が経過しました。長めの陰線を4本引いており下落しそうな雰囲気です。モメンタムは完全にねじれて黄色い中央線を割り込む可能性を示しています。またねじれた箇所は予測境界線に近づいていますので、確定の可能性が高いことを示しています。
さらに5分が経過しまたところで下向きのシグナル点灯です。まだ精度は高くは無いものの、このまま価格が下落してモメンタムの方向性(トレンド)が切り替わる可能性を示しています。
該当箇所を拡大してみましょう。すでにモメンタムのねじれは予測境界線を越えてしまいましたので、下落入りしたことは確実です。あとはシグナルが予測境界線を越えて確定すれば下落入りも確定します。
その後は言うまでもなく下げが加速し、シグナルも予測境界線に重なり下落トレンド入りが確定しました。黄色い中央線、青の予測線をモメンタムが下回りましたので、ほぼ陰転サイクル入りが確定です。
この後同様に下げ渋りが発生し、モメンタムのねじれから上シグナルが発生し、再度17000を回復する動きとなりました。
このようにほぼすべての株価や為替の値動きはモメンタムのねじれからトレンドが発生し値動きのサイクルが転換する過程を踏襲します。この特性を上手く把握することでトレードの際の予測精度が飛躍的に向上するはずです。そしてこのDN_MAFM2はその分析の際の良い指標になるはずです。